試合レビュー

ヴィニシウスの理不尽ゴールとエンバペの土壇場PK。組織崩壊の淵で掴んだ「勝ち点3」の重み レアル・マドリード vs ラージョ ラ・リーガ第22節

試合概要

この記事では、2026年2月1日(日)に行われた

ラ・リーガ第22節「レアル・マドリード vs ラージョ」の一戦を振り返ります。

国王杯での歴史的な失態、そしてアルベロア政権への移行。
負傷者も依然として多い「野戦病院」状態の中、ホームのベルナベウにレバンテを迎えた一戦。

結果は 2-1での勝利。

しかし、このスコアを額面通りに受け取ることはできません。
開始早々のベリンガムの負傷離脱、
後半のあっけない失点、そして試合終了間際のPKによる決着。

結論から言うと、「内容は空虚そのものだが、理不尽な個の力で勝ち点をもぎ取った試合」です。

かつてベルナベウ全体を包み込んだ「必ず逆転をするレアル・マドリード」という熱量が失われつつある現状で、この勝利に何を期待すればいいのか。

この先期待と不安、というよりは空虚さが勝る90分間を忖度なしにレビューします。

まいマド的総括

ラ・リーガ第22節 レアル・マドリード vs ラージョ・バジェカーノのスタメンとハイライト

試合ハイライトはこちら

※ハイライト引用(Real Madrid

両チームのスタメンとフォーメーション

画像引用元(FOTMOB

途中出場(マドリーのみ)
10分 ベリンガム OUT → ブライム IN
46分 ラウール・アセンシオ OUT → セバージョス IN
60分 マスタントゥオーノ OUT → ゴンサロ・ガルシア IN
77分 ギュレル OUT → ロドリゴ IN
77分 ハイセン OUT → アラバ IN

試合の流れ

ベリンガムの悲劇とヴィニシウスの「個」

試合は最悪の形で幕を開けました。

開始わずか8分、ベリンガムが左足ハムストリングを負傷。
これに関しては、ここ数試合でアルベロア監督の酷使が招いた結果かもしれません。
特に6−1で大勝したモナコ戦は試合が決していたのにも関わらず、主力選手を引っ張り続けた指揮官の責任は極めて重いと言わざるを得ません。

そんな沈滞ムードを一変させたのは、この男でした。
15分、ヴィニシウスが左サイドからカットイン。
DFを翻弄し、最後は鮮やかなゴラッソを叩き込みます。
周囲のフォローすら必要としない、まさに「個」による理不尽な先制点。

この試合、彼がアタッキングサードを自由に動き回ったことで、相手守備陣は以前よりもマークを絞りづらくなっているように感じました。

前半の保持局面では、チュアメニがCBの間に落ちる「可変3バック」気味の形を形成し、カマヴィンガが中に絞ることで、ビルドアップにある程度の安定感が生まれていました。
これはシャビ・アロンソ政権下でのベストゲームであるアスレティック戦の形に近いものでしたが、肝心のアタッキングサードでの工夫は皆無。

マスタントゥオーノの基本的な技術ミスも重なり、追加点への期待は萎んでいきました。

ファイアを越えたアルベロアの「マグマフォーメーション」

後半開始早々の49分、悪夢が訪れます。

自陣エリア内で揺さぶられ、デ・フルートスに失点。
チュアメニをCBに下げたことで中盤のフィルター強度が低下し、そこを突かれる格好となりました。

追いつかれたマドリーは、攻撃の停滞感からの焦りからか、アロンソ時代の攻撃陣をとにかく並べる「ファイアフォーメーション」を通り越した、もはや「マグマ」とでも呼ぶべき無秩序な配置へ。
ロドリゴがインテリオール起用されるなんて予想もしませんでした…

63分にはアタッキングサードでのロストから致命的なピンチを迎えますが、ゴンサロ・ガルシアクルトワの決死のカバーで辛うじて失点を防ぐという、目も当てられない惨状でした。

最終盤の90+10分、エリア内の混戦からブライムがPKを獲得し、エンバペが落ち着いて決めて勝利を掴みましたが、かつてのベルナベウに見られたような「呼び込まれた必然の劇的勝利」という感覚は、そこにはありませんでした。

管理人の感想

内容面は「チグハグさ」すら失った無秩序

2-1という結果こそ残りましたが、内容に関してはポジティブな要素を1つも見つけることができません。

以前はまだ「チグハグながらも意図は見える」段階でしたが、現在はそれすらなく、ただピッチに選手を並べただけ。

組織的な攻撃の形も、被カウンター対応の規律も完全に消失しています。
特にマスタントゥオーノについては厳しく言わざるを得ません。マドリーのスタメンに名を連ねるにはあまりに時期尚早です。
守備面での貢献は賞賛できるものの、肝心のアタッカーとしての出来は力不足です。
あまりに足元の基礎技術が欠如しています。
まずは徹底的に基礎練習からやり直してほしいというのが僕の本音です。

ヴィニシウスの進化とフェデの献身

こんな中で唯一の救いは、ヴィニシウスが攻撃面で見せた違いです。
この試合はいつもと異なり、サイドに張るだけでなく、タイミング良く中央へ顔を出す動きを見せました。

彼は昨季中盤から今季にかけて思考停止の単なるウインガーに成り下がっていましたが、この試合は以前の伸び伸びとプレーしていた時期の彼を彷彿とさせました。

また、バルベルデの献身性と運動量には頭が下がります。
この試合はいつも以上に誰よりもピッチを駆け、誰よりも気持ちの入ったプレーを見せていましたが、それだけに怪我のリスクが頭をよぎり、観ていてヒヤヒヤする場面が多かったです。

ベリンガムのような事態を繰り返さないためにも、マネジメントの再考は急務でしょう。

アロンソ、そしてアルベロア。歪なプロジェクトの限界

アロンソ監督が追いかける展開に使用していた「ファイアフォーメーション」もヤバかったですが、アルベロア監督が見せた現在の「マグマフォーメーション」はもはや論理的な分析の域を超えています。
とにかく攻撃の選手を前に並べたと言う表現が正しいと思います。
そこに狙いやコンセプトなど全く存在しません。

ゴンサロを本来輝くはずのない右ウイングで使い続け、守備を捨ててアタッカーを並べるだけの采配。
これで紙一重、勝ててしまうのがレアル・マドリードの恐ろしさではありますが、長期的なプロジェクト、フットボールとしては完全に破綻しています。

まとめ

  • 土壇場のPK弾で薄氷の勝利。しかし「マドリディズモ」の熱狂はそこになかった
  • ベリンガムがハムストリング負傷で離脱。過酷な酷使が生んだ最悪の結果
  • ヴィニシウスの理不尽なゴラッソ。自由なポジショニングで違いを見せた
  • 組織守備と攻撃の連動性は皆無。個の力に依存し切った現状は限界値に近い

最低限の勝利とはいえ、残されたのは課題と不安、そしてベリンガムの離脱という大きな傷跡だけです。
これからシーズンも後半戦本番を迎える中でこのチームはどこへ向かうのか。

次戦はラ・リーガ第23節、2月9日(月)のバレンシア戦です。
ではまた次の記事でお会いしましょう! バイバイ!

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