
試合概要
この記事では2025年9月27日(日本時間)に行われたラ・リーガ第7節 アトレティコ・マドリード vs レアル・マドリードの試合を振り返ります。
今季ここまで公式戦全勝のレアル・マドリードが強敵相手にどのような試合を見せてくれるか注目が集まる一戦でした。
しかし結果は5-2で敗北と衝撃の結果に。
これにより9月29日未明のバルセロナ vs レアル・ソシエダでバルセロナが勝つと首位の座を明け渡すことになります。
絶好調に見えたシャビ・アロンソ政権下のマドリーでしたが、シメオネのアトレティコに完膚なきまでに叩きのめされてしまいました。
この記事では試合を振り返ると共に「なぜここまで大敗したのか」を個人的に分析していきたいと思います。
まいマド的総括
ラ・リーガ第7節 アトレティコ・マドリード vs レアル・マドリードのスタメンとハイライト
試合ハイライトはこちら
※レアル・マドリード公式がハイライト動画を投稿していないのでアップされ次第リンク貼ります
(9/28 17時現在)
※ハイライト引用(レアル・マドリード公式チャンネル)
両チームのスタメンとフォーメーション


画像引用元(FOTMOB)
途中出場(マドリーのみ)
46分 ミリトンOUT↔︎ラウール・アセンシオ IN
59分 ギュレルOUT↔︎マスタントゥオーノ IN
59分 カルバハル OUT↔︎カマヴィンガ IN
70分 ベリンガム OUT↔︎ロドリゴ IN
89分 ハイセン OUT↔︎ゴンサロ・ガルシア IN
試合の流れ
一進一退の激闘
試合は開始早々から激しい立ち上がり。
前半14分、アトレティコDF ル・ノルマンの強烈なヘディングがゴールネットを揺らし、アトレティコが先制。
ホームの大歓声も含め難しい立ち上がりとなりました。
しかし、25分エムバペがギュレルの鋭いラストパスを受け、冷静に同点弾を叩き込みます。
さらに36分には、ヴィニシウスからのクロスボールをギュレル自身が鮮やかなゴールを決めて逆転。
ところが、このリードは長く続かず前半終了間際、シンプルなクロスボールをセルロートに押し込まれ、スコアは2-2に。
互いに攻撃の意志を前面に出した前半は、スリリングな展開のまま折り返しました。
メトロポリターノの悪夢
後半が始まると、試合の主導権を握ったのは完全にアトレティコでした。
セットプレー崩れのクロスからギュレルがエリア内でハイキックの判定を受けPK。
アルバレスがそれを冷静に沈め、再びリードを許します。
その後も勢いは止まらず、ゴールから20mほどのゾーンでファウルを受けるとアルバレスが直接FKを突き刺します。
スコアは一気に4-2。レアルにとっては反撃の糸口を見失う苦しい時間帯が続きました。
終劇
試合終盤、反撃を試みたマドリーでしたが、最後まで決定的なチャンスを作れず、
93分にはグリーズマンが前がかりになったマドリーの背後へ抜け出し、トドメの一撃を沈め5-2にマドリディスタにとっては悔しい敗戦となり、連勝記録はここでストップ。
管理人の感想
敗因はメンバー選定にあり?
Derbi Madrileño(マドリードダービー)の大敗がショックすぎて筆が進みません。
ただここでは力を振り絞って、僕が個人的に考える敗因を挙げていこうと思います。
敗因の最も大きな理由は
アロンソ監督の采配ミス
だと考えています。
具体的にいうと、この試合はここまで公式戦で使用していた4-2-3-1(4-3-3)のような両ワイドに幅を取るウインガーを置きませんでした。
※システム表記上は4-2-3-1
これまでの形を採用しなかった理由は肩の手術から帰ってきたベリンガムをギュレルと同時起用させるためでしょう。
結果、攻撃時はギュレルとベリンガムがフリーロールとして攻撃をサポートしつつ、バルベルデ&チュアメニで守備時のバランスを取る。
一見すると強そうなシステムで臨みました。
しかしこの戦術には大きな落とし穴があり、今回はその穴にハマったと考えています。
それが両サイドバックへの負担増とプレッシャーの遅れです。
それぞれ解説していきます。
両サイドバックの負担増
サイドアタッカーを配置しないと起こり得る事象としては
サイドバック(カルバハル&カレーラス)が高い位置を取らなくてはならない
ということです。
これによってボールを失った途端、SBの裏に大きなスペースが空いてしまい、さらにアトレティコのサイドアタッカーは運動量もスピードも秀でており、完全に不利な展開になってしまいました。
それを象徴するかのように、この試合マドリーのCKが2本に対して、アトレティコが7本でよりアトレティコが深い位置までサイドアタックで侵入していたかがわかります。
そしてここまで完全無欠に見えた新加入のカレーラスはこの背後へのボールにかなり手を焼いていた印象でアトレティコからも執拗に左サイドの裏を狙われ続けました。
プレッシャーの遅れ
このフォーメーションの最大の問題点はここです。
ギュレルとベリンガムが攻撃時は自由に振る舞える一方で、ボールを失うと、特定のポジションに決まった選手がいないため誰が「プレッシャーをかけるのか」の判断に時間がかかります。
その結果、プレスがワンテンポ遅れてパス交換で前進され、クロスを上げる余裕も出てくる。
こういった構造上の問題をマドリーは抱えていたと感じます。
なんでこのフォーメーションにしたんだろう
そうなると僕たちは「なんでこのフォーメーションにしたの?」とアロンソ監督に疑問をぶつけたくなりますが、僕たちマドリディスタはジダン監督時代にその質問の答えを見せてもらってます。
そう実はこのシステム、ジダンがここぞという時に使用していた通称:イスコシステムと全く同じなんです!

完全に同じというわけでもないですが個人的には
- イスコ→ギュレル (フリーロールで攻撃を助ける/前線2枚へのラストパス)
- モドリッチ→ベリンガム(攻守でのフリーロール/ドリブルなどの個の力で局面打開)
- クロース→バルベルデ(ここは選手特性が違いすぎるから役割異なる)
- カゼミロ→チュアメニ(中盤の底での潰し役/カウンター対応)
だと感じました。
実際、今回のマドリードダービーでもマドリーの2得点は個の力による即興性とギュレルの変幻自在のポジショニングから生まれました。
ただアトレティコとのシステムや選手特性の組み合わせが絶望的に悪かったですし、ぶっつけ本番でこのシステムを採用したことで先ほど述べたデメリット2つがより浮き彫りになった印象を受けます。
あとはハイセンやカレーラスなど好調を維持していた新加入組も「押し込まれた時の弱さ」や「背後へのボールへの弱さ」などこれまでは見えなかった弱点が露わになったと思います。
ここまで全勝だっただけに残念すぎる結果となりましたが、切り替えて次の試合を応援しましょう!
まとめ
- レアル・マドリード、アトレティコ相手に5失点で完敗
- ぶっつけ本番のシステムがうまくいかず
- 好調だった新加入選手たちにも弱点あり
衝撃的な内容だっただけに、チーム内の雰囲気が悪化しないかだけが気がかりです。
次戦は10月1日(水)01:45~(日本時間)のCL第二戦カイラト戦です。
長距離移動でのアウェー戦ということで心配は続きますが、信じて応援しましょう!