試合レビュー

【深まるチームの溝】カンテラーノが輝くも冷え切ったしまったベルナベウ レアル・マドリード vs レアル・オビエド 試合レビュー ラ・リーガ第36節

試合概要

この記事では、2026年5月15日(日本時間)に行われた、ラ・リーガ第36節『レアル・マドリード vs レアル・オビエド』の試合を振り返ります。
前節のカンプ・ノウでの敗戦、それによる宿敵のラ・リーガ制覇により、精神的にも完全にどん底に突き落とされた我らがレアル・マドリード。
すでにマドリーは2位が確定しており、対するオビエドも最下位での降格が確定しているという、お互いに純粋なモチベーションを見出すのが難しい状況で迎えたホーム戦でした。

総評としては、「出場機会が減っていたカンテラーノたちの輝きに救われたものの、組織としては直近の試合から進歩がなく、ピッチ外の確執が如何に深刻であるかを象徴してしまった試合」でした。

まいマド的総括

ラ・リーガ第36節 レアル・マドリード vs レアル・オビエドのスタメンとハイライト

試合ハイライトはこちら

※ハイライト引用(Real Madrid

両チームのスタメンとフォーメーション

画像引用元(FOTMOB

試合の流れ

プレシーズンマッチさながらの緊張感のなさと、バックパスの繰り返し

お互いに背負うものが何もないという背景もあり、試合はまるでプレシーズンマッチのような、緊張感を欠いたスローテンポな展開となりました。

マドリーがボールを握る時間が長くなるのは予想通りでしたが、オビエドは無理に前線からプレスをかけてはこず、低い位置でブロックを敷いて待ち構える戦略を選択します。
本来であれば、ここから中盤がテンポを上げて相手を揺さぶるべきなのですが、直近の試合と同じように後方からのビルドアップの設計がまるで行き当たりばったりでした。
縦パスを入れる勇気や工夫が見られず、少しでも網に引っかかりそうになると、安全なバックパスを選択して逃げるだけの非常に単調なパス回しが延々と続きます。
アタッキングサードの手前で完全に攻撃のスイッチが消えてしまう、寂しい光景でした。

カンテラーノの誇りがもたらした先制点

この試合、アルベロア監督がスタメンに並べた選手たちは比較的出番の少ない選手たちでした。
アラバ、ラウールアセンシオ、カレーラス、ゴンサロ・ガルシア

特にゴンサロ・ガルシアは停滞する周囲に流されることなく、攻守両面で泥臭くコンスタントにハードワークを続けていた印象です。
そして彼の執念が、前半終了間際の44分に結実します。

また、ラウール・アセンシオも持ち前のカバーリング範囲の広さと熱い闘志でマドリディスタの心をギュッと掴んだと思いまいした。

彼ら以外で普段出場機会に恵まれない選手たちのプレーぶりは特筆すべきものはありませんでしたが、このカンテラーノ二人の輝きをシーズン終盤、
しかもこのようなチーム状況で見られたのはファンにとっては一つポジティブな要素だったと感じます。

大胆な選手交代と、ベリンガムの決定力

後半に入っても試合全体のトーンは大きく変わりませんでしたが、1点リードの状況でアルベロア監督は大胆な選手交代に打って出ます。

戦術的な機能性が上がったとは言えませんが、やはり「個のクオリティ」が違いを作りました。
80分、途中投入されたベリンガムが、エリア付近で素晴らしい形で左足を振り抜き追加点を奪取。
これで勝負は決まり、2-0のままタイムアップを迎えました。

管理人の感想

もう試合内容がどうとかそういうレベルじゃない

内容面は、相手が最下位のオビエドだったから無失点で勝てたものの、まともなクラブが相手であれば一撃で仕留められていてもおかしくないレベルでした。
攻撃の設計という概念がピッチ上に存在せず、アタッキングサードにおける流動性は完全に停止しています。
戦術云々というよりはチームとして同じ絵を描けていない感じ。

特に、マスタントゥオーノのパフォーマンスは期待外れと言わざるを得ません。
右ウイングの位置から積極的に中央低い位置まで動き、インテリオール的な動きを見えせながらチームに流動性を生み出そうとしているようには見えましたが、ボールを引き取ってはただ無難にバックパスを下げるだけのマシーンになっていました。
相手の守備ブロックをずらすような意外性のある配球は皆無で、攻撃のテンポを著しく損なっていました。
時折前を向いて仕掛けるものの、以前から指摘している通り、彼は基礎スキルがまだあまりにも未熟です。
結果として効果的な突破は一度もなく、唯一のシュートチャンスも枠を大きく外してしまいました。

中盤の底に入ったカマヴィンガも同様です。
非保持から保持への切り替え時に、相手のブロックを揺さぶるような縦パスを供給できず、バックパスを連発。
これでは相手にとってこれほど守りやすい相手はいません。

ピッチ吹き込んだベルナベウの逆風

個別の選手、特に主力陣に目を向けると、精神的な冷え込みが顕著です。

キャプテンマークを巻いたヴィニシウスですが、前節のクラシコ同様、まるでピッチ上で自分の姿を隠すように消極的なプレーに終始していました。
持ち前の果敢なドリブル突破を仕掛ける回数は明らかに少なく、仕掛けたとしても簡単に引っかかる場面が目立ちました。

ホームのベルナベウからブーイングを浴びたことで、完全にメンタルが後ろ向きになってしまっているのでしょう。

ホームスタジアムでブーイングが鳴り響く前代未聞の事態の中、ブライム・ディアスゴンサロ・ガルシア、そしてラウール・アセンシオはマドリディスタの心をガッツリ掴んでいたようにも見えました。

ブライム・ディアスはブロックのわずかなギャップを見つけては顔を出し、鋭い反転からチャンスメイクを試みるという、かつてのマドリーの強みであった変幻自在の攻撃を一人で体現していました。
アルベロア監督に干されていたラウール・アセンシオも、持ち前の広いカバーリング範囲とファイターらしい闘志溢れる守備で、冷え切ったベルナベウのサポーターの心を熱く掴んでいました。

ただ、今のマドリーで何より恐ろしいのは、試合内容よりもピッチ外のドロドロした内紛劇です。
試合後、エンバペ「監督から4番目のストライカーだと言われたから出なかった」と言い放てば、
アルベロア監督は「そんなことは言っていない。彼は誤解している」と真っ向から反論。チームの雰囲気が地の底にあることを決定付ける、目を覆いたくなるレベルの発言の応酬でした。

これ以上、シーズン終了までにチームが完全にバラバラにならないことを祈るばかりです。

まとめ

  • お互いにモチベーションのないプレシーズンマッチのような空気の中、カンテラーノの意地とベリンガムの個の力で勝ち切る。
  • ブロックを敷く最下位相手に対してビルドアップが完全に詰まり、安全なバックパスを繰り返すだけの退屈な組み立て
  • 先制点のゴンサロ・ガルシア、闘志を見せたラウール・アセンシオのカンテラーノコンビの躍動と、クオリティを維持するブライム・ディアス
  • ピッチ内以上にピッチ外での監督とエースの確執が限界点に達しており、来季への再建に向けてこれ以上チームが崩壊しないためのマネジメントが急務。

次戦はラ・リーガ第37節アウェーでのセビージャ戦となります(日本時間5月18日月2:00)。

泣いても笑っても今季は残り2試合。ピッチ外のノイズに負けず、最後くらいはプロとしての意地を見せてほしいと思います。

ではまた次の記事でお会いしましょう! バイバイ!

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