
試合概要
この記事では、2026年2月22日(日)(日本時間)に行われた
ラ・リーガ第25節『オサスナ vs レアル・マドリード』の試合を振り返ります。
ここ数試合、チームは右サイドのトレントの展開力と中盤のボックスtoボックスな強度を軸に、ようやく「組織としての骨格」が見え始めていました。
今節もその流れをベースにしつつ、トレント不在という大きな変化を抱えながらのアウェイゲーム。結果は2-1での逆転負けです。
相変わらずの左頼みの展開で、この日はその左サイドでもズレを作り切れず。
同点ゴールこそ フェデ・バルベルデ 奪取からの ヴィニシウス で素晴らしい形でしたが、
後半の交代策で中盤のバランスを崩し、ミスをきっかけに勝ち越し点を許した、内容・結果ともに痛い敗戦だったと思います。
まいマド的総括
ラ・リーガ第25節 オサスナ vs レアル・マドリードのスタメンとハイライト
試合ハイライトはこちら
※ハイライト引用(Real Madrid)
両チームのスタメンとフォーメーション


画像引用元(FOTMOB)
試合の流れ
可変の骨格は維持も…トレント不在でスイッチを失った前半
保持時の基本構造は、ここまでの好調を支えてきた形をほぼ踏襲していました。
- 左:タッチライン際に張る ヴィニシウス
- 左インサイド:ボランチ化する カレーラス が渋滞を解消しつつ、ドリブルと配球で前進
- 右:カルバハル が高い位置を取り、その背後を フェデ・バルベルデ が右サイドカバー+時折ダイナミックなオーバーラップ
いわゆる「左で保持を作り、右で可変する」骨格自体は維持されており、
保持/非保持の切り替えも、ここ最近の試合と同じ設計に見えました。
しかし、10分までの段階ではっきりしたのは、トレント不在の重さです。
- 大きなサイドチェンジや縦パスという“スイッチ”が無い
- 結果として、ショートパスで同じテンポ・同じリズムの保持に終始し、相手ブロックをずらせない
- たまにロングボールでサイドチェンジを試みても、精度が足りずカットされるシーンが目立つ
以前から指摘している通り、「保持はできるが、アタッキングサードでの変化が少ない」という問題が、
この試合ではより顕著に出たと感じました。
20分までの全体構図も変わらず、
アタッキングサードに侵入してからの停滞感は目を覆いたくなるレベル。
その一方で、カレーラス の存在感は際立っていました。
- 保持時の自在なポジショニング(内側に絞ってボランチ化する動き)
- ドリブルで1枚剥がせる個の突破力
- パスの判断も的確で、前進の“解”を常に提示
カレーラスはいつも良い選手ですが、この試合の前半は特に「内側のポジショニング」が秀逸で、
バイタル手前のポケットを上手く取り続けていました。
24分には、オサスナのセットプレーの流れからクロスが入り、クルトワの超ビッグセーブで失点を回避。
31分には、マドリーもショートコーナーから組み立ててアラバが決定機を迎え、
アラバは守備だけでなく、ビルドアップとフィニッシュに顔を出す“総合力”の高さを見せました。
しかし33分、オサスナの保持からの裏抜けに対して、最終ラインと クルトワ で対応しようとした場面で足がかかりPK献上。
オンフィールドレビューの結果PK判定となり、これを決められて失点します。
前半をまとめると、
- アタッキングサードでの停滞感が深刻
- 攻撃の糸口がほぼ左サイドしかない
- エンバペ の攻撃参加は浮いており、バイタル侵入やラストパスに絡めていない
- ブロック守備はある程度機能するものの、ロングカウンターや中盤起点のダイナミックな攻撃への耐性が低い
という、組織としての課題がそのままスコアに反映された45分だったと思います。
9番不在の重さと“トレント一発目”──同点までは「最低限」
後半に入ると、マドリーはサイド深い位置までえぐってからのクロスを増やしていきます。
ただ、ボックス内に「明確な9番」がいないため、折角のクロスも脅威になり切りません。
9番不在の大きさを、改めて痛感させられる展開でした。
右サイドでは、カルバハル のフィジカルコンディションの厳しさが見え隠れし、
攻撃面でのバリューもトレントほどは出せていません。
そのため、
- カルバハルの背後をケアするために フェデ が守備カバーに回る
- 本来のボックスtoボックスな推進力を前向きに使い切れない
という非常にもったいない構図に陥っていました。
64分、ついに トレント が投入されます。
そして一発目のボールタッチで、いきなり ヴィニシウス への大きなサイドチェンジからチャンスを創出。
この瞬間、
「このチームの攻撃のスイッチは、やはりトレントのキックレンジと視野に大きく依存している」
という現実が改めて露呈したと思います。
続いて、ブライム・ディアス が投入されると、細かいパス交換と動き直しを繰り返す“リンクマン”として機能。
この試合の文脈だけで言えば、同じゲームメイカー枠の ギュレル よりも、
ブライムの方がアタッキングサードでリズムを作れていたと僕は感じました。
72分、ようやく同点弾が生まれます。
中盤のイーブンボールを フェデ・バルベルデ が強度で奪い切り、
そのまま一気に加速して4人を剥がすドリブル。
最後は中央へグラウンダーのクロスを流し込み、ファーで ヴィニシウス が押し込んで同点。
- 中盤でのボール奪取
- 自ら運び切る推進力
フェデの良さが凝縮された、今季でもトップクラスのプレーだったと思います。
交代策で中盤が空洞化し、被カウンター対応が崩壊した終盤
問題はここからです。
同点後の74分、フェデ・バルベルデ に代わって ゴンサロ・ガルシア を投入。
「さらに勝ちに行く」というメッセージ自体は理解できますが、
個人的には、この交代の“どの駒を削ったか”にはかなり大きな疑問が残りました。
- エンバペ はCFとして背負うより、サイドや低い位置で前を向いて仕掛ける方が圧倒的に怖い
- 9番としてゴール前に居座る役割は、むしろ ゴンサロ の方が適任
- であれば、エンバペかギュレルを下げて、「エンバペをサイド/シャドー」「ゴンサロをCF」が自然なはず
ところが実際には、ボックスtoボックスで中盤と前線をつなぎ、
被カウンター対応の“最後のストッパー”でもあったフェデがピッチを去ってしまいます。
その後、セバージョス も投入されますが、
「落ち着かせる役割」を期待されたはずの彼のところで、
テンポと強度の両方が落ちてしまった印象です。
89分、オサスナのショートカウンターから痛恨の2失点目。
- 中盤の人数と強度が足りず、セカンドボールに触れない
- バイタル前で一度も“ファウル覚悟の潰し”に行けない
- 被カウンター対応が後手に回り、そのままゴールまで持っていかれる
マドリーの2失点目は、本当に勿体ない形でした。
勝ちに行くための賭けに出た結果と言えば聞こえは良いですが、
中盤のバランスをここまで崩す必要があったのか――その点には、どうしても疑問が残ります。
管理人の感想
いやー厳しい…笑
バルサが負けて喜んでたけどマジの一日天下でした🥹
想像以上に アラバ が良かったのと、カレーラス はいつも良いんだけど、
今日は特に前半の内側のポジショニングがすごく良かった。
逆に言うと、攻撃はそろそろ本当に考えないと、
「引かれたら点取れない」でシーズンを終えかねないと強く感じています。
エンバペ&ギュレルの“宙ぶらりん”と、設計されない攻撃
内容面で一番気になるのは、エンバペ と ギュレル の役割が依然として曖昧なままになっていることです。
- エンバペ:CFとして背負うプレーが必ずしも得意ではなく、どうしてもサイドや低い位置で受けたがる
- ギュレル:ゲームメイカーとして期待されつつも、「どのゾーンで何を最優先にすべきか」が整理されておらず、良いことはしているが決定的な違いには届いていない
ヴィニシウス は「左で仕掛ける」という役割が比較的明確です。
一方でエンバペとギュレルは、システムの中での“居場所”が中途半端で、
結果として、組織としての攻撃設計よりも「その場のひらめき」に頼る比重が大きくなっています。
以前から指摘している通り、このチームは
「個の力に頼れば何とかなる」
という成功体験に依存しすぎていて、
引かれた相手をどう崩すか、アタッキングサードやバイタルでどんなパターンを積み上げるか――
その部分の設計がほとんど見えません。
今日のような試合を繰り返していると、本気で
「引かれたら点を取れないチーム」
という評価が定着してしまうと思います。
そしてその責任は、選手個々の出来不出来以上に、「攻守の共通原則をどこまで落とし込めているか」という組織側にあると僕は考えています。
まとめ
- 左頼みの攻撃でズレを作れず、同点までは最低限に持ち込んだものの、交代策と被カウンター対応の綻びから終盤に痛恨の逆転負け
- 組織としては、カレーラスの内側ポジショニングやアラバの安定感などポジティブ要素がある一方、アタッキングサードの停滞、9番不在、そして「引かれたら点が取れない」攻撃設計の欠如が深刻
- 個の面では、フェデ奪取からのヴィニ同点弾、カレーラスの完成度、アラバの守備&ビルドアップは光った一方で、エンバペ&ギュレルの役割は宙ぶらりんのまま
次戦は、CLプレーオフ第2戦ベンフィカ戦(日本時間2月26日)です。
第一戦を勝利しているだけに、決勝トーナメント進出はマストの一戦となります。
ではまた次の記事でお会いしましょう! バイバイ!