試合レビュー

【右サイド可変の“暫定解”】トレント&フェデが生んだダイナミズム レアル・マドリード vs レアル・ソシエダ 試合レビュー ラ・リーガ第24節

試合概要

この記事では、2026年2月15日(日)(日本時間)に行われた、

ラ・リーガ第24節「レアル・マドリード vs レアル・ソシエダ」の試合を振り返ります。

前節バレンシア戦は、内容面では無味無臭ながらもスコアだけ見れば0-2の勝利という、モヤモヤの残る一戦でした。
今節のテーマも以前として、「組織としての攻守にどこまで“形”が見えるか」だったと思います。

結果は、ゴンサロ・ガルシアヴィニシウスフェデ・バルベルデのゴールで4得点。
PKで1点を返されたもののスコア上は快勝と言える内容。
内容面も上々の出来。中でも印象的だったのは、

  • 右サイドのトレントフェデによる可変と役割分担
  • エンバペ不在によって整理された、ヴィニシウスゴンサロの役割

この2点が、今季でもかなりポジティブな部類に入る「ダイナミズム」をチームにもたらしていたことです。

まいマド的総括

ラ・リーガ第24節 レアル・マドリード vs レアル・ソシエダのスタメンとハイライト

試合ハイライトはこちら

※ハイライト引用(Real Madrid

両チームのスタメンとフォーメーション

画像引用元(FOTMOB

試合の流れ

右サイドの構成がハマった立ち上がり トレントを“ゲームメイカー”にした配置

試合はいきなり動きます。
4分、右サイドのトレントからヴィニシウスへの大きな展開で一度保持に移行すると、そのトレントが今度はアーリークロス気味のボールをゴール前へ。
最終ラインとの駆け引きで一瞬のスペースを作ったゴンサロ・ガルシアが、ワンタッチで合わせて先制点。

  • トレントの「目の付け所」とキック精度
  • ゴンサロのライン間でのポジショニングと得点感覚

この2つが完璧に噛み合った、非常に完成度の高いゴールでした。

序盤からソシエダは高い位置でプレスをかけてきましたが、これがむしろマドリーにとっては追い風に。
一度プレスを外せれば、相手最終ラインの背後には広大なスペースが生まれ、試合はスピード感のある展開に。
マドリーにとって「攻めやすそうだな」と素直に感じられる入りでした。

特徴的だったのは、右サイドの可変です。

  • ボール保持時:トレントがほぼ右ウイングのような高い位置を取る
  • その背後・内側を、フェデ・バルベルデがカバーしながら動く

守備とスプリント能力に難のあるトレントを、フェデがボックスtoボックスに支える形。
右サイドに「キック精度とパスコース発見能力に長けたレジスタ」を置き、
その背後に“消火役”としてのフェデを配置することで、

トレントをサイドのゲームメイカーとして最大限活かしつつ、守備面のリスクを最小限に抑える

という狙いがかなりクリアに見えました。

PKの応酬と、左サイドのダイナミズム──ヴィニシウス&カレーラスの役割分担

20分、試合は一度振り出しに戻されます。
ペナルティエリア内でハイセンが不用意なタックルをしてしまい、PKを献上。

彼の今季、複数回に渡る退場シーンにも表れていたように、
彼の守備は対人能力そのものよりも「判断のタイミング」にまだ伸び代があります。
このPKもまさにその典型で、ボールと相手の距離と相手とゴールの位置を考えれば、
ここは“行かない勇気”を持つべき場面だったと思います。

ただ、その嫌な流れを断ち切ったのもまた、左サイドのヴィニシウスでした。

24分、敵陣左サイド深い位置でヴィニシウスがPKを獲得すると、
自らキッカーとしてゴール右へ沈めて勝ち越し。
キックフォームを微妙に変えたと感じたのは僕だけではないはず。
明らかに「僕がPKキッカーの座を獲りに行く」という野心を感じさせる蹴り方でしたし、
この試合を通じて、彼が“自分の得意な形”で仕掛け続けられていたことも印象的でした。

30分には3点目。
今度は左サイドでカレーラスが幅を取るのではなく、逆に中央へ流れてポスト役に。
彼の落としを受けたフェデ・バルベルデが、ほぼノーステップで強烈なミドルを突き刺します。

このゴールの起点もやはりトレントのロングボールで、
左サイドのスペースへ走るヴィニシウスに通したところから一気に押し込んだ形。

  • 右サイド:トレントが高い位置からゲームメイク
  • 左サイド:ヴィニシウスが幅を取り、カレーラスが内側でポスト&裏抜け

この役割分担によって、左サイドを中心に非常に大きなダイナミズムが生まれていました。

強いて言えば、ギュレルはこの先発メンバーの中では役割がやや曖昧で、
ボールに触れる位置・触った後に違いを出すルートが整理されていない印象。
彼自身の強み(狭い局面での創造性)を十分に引き出せていないのは、今後の課題だと感じました。

後半:ロングボールとスペース活用、トレント&フェデの相性の良さ

後半に入っても、試合の基本構図は変わりませんでした。
ソシエダが前から来てくれるおかげで、マドリーとしては「プレスを1つ外せれば一気に前進できる」展開が続きます。

50分には、クルトワのロングボールからゴンサロがラフにポストし、
こぼれを拾った形で左のスペースにいたヴィニシウスへ。

ここはゴールにはならなかったものの、

ゴンサロがいると、クルトワのロングボールが“ただの捨て玉”にならない

というメリットが非常に分かりやすく出たシーンでした。
最近のマドリーはどうしても同じようなリズムでなんとなく回す保持志向が強くなりがちですが、
彼の存在によって「ロングボール→セカンド回収→一気にアタッキングサード」という
別解のルートを持てるのは、シーズンを通して見てもかなり大きいです。

57分には、トレントが優しく空間に落としたボールにフェデがスプリントで飛び込んで決定機。
ここでも右サイドの“可変コンビ”が効いていて、

  • フェデ:トレントの守備をカバーしつつ、機を見てボックスtoボックスで前線へ顔を出す
  • トレント:高い位置からロングボールやスルーパスでゲームをコントロール

という関係性が非常に自然に機能していました。

ソシエダの前からのプレスという前提条件はあったにせよ、
スペースをうまく使いながら、保持とカウンターの中間のような「ダイナミックなゲーム」を実現できていたのは、
今季のリーグ戦の中でもかなりポジティブな材料だと僕は感じました。

管理人の感想

内容面は今季でもかなりポジティブ寄り「守備の原則+アドリブ」のバランス

まず内容面について言えば、この試合は今季の中でもかなりポジティブ寄りに入ると思います。

  • 右サイドでの「トレントをどう守りつつ活かすか」という可変のアイデア
  • 左サイドでのヴィニシウスカレーラスの配置分担によるダイナミズム
  • 中央〜後方での最低限の守備原則が担保された上での攻撃参加

以前から指摘している通り、今季のマドリーは
「それっぽくて、中身は無味無臭」という試合が多すぎました。

この試合に関しては、

右サイド:守備の原則(フェデ&トレントの関係性)を土台にしつつ、攻撃面でトレントのキック精度を最大化
左サイド:ヴィニが幅、カレーラスが内側で前線の渋滞を解消

という設計が、かなり明確にピッチに落ちていた印象です。

もちろん、ハイセンのPK献上のように、守備判断の粗さは残っていますし、
圧倒的に相手を押し潰した試合とは言い切れないかもしれません。

それでも、「何を狙っているのか分からない」「個のひらめき待ち」だった直近の試合と比べると、
組織としての攻守の輪郭がようやく見え始めたという意味で、
この90分はシーズンのターニングポイント候補になり得ると感じました。

エンバペ不在だからこそ見えた、ヴィニ&ゴンサロの“解像度”

もう1つ重要だと感じたのが、エンバペ不在がもたらした前線の整理です。

エンバペがいる時の問題は、

  • 彼が自由に動き回れるからこそ、他の選手の立ち位置が曖昧になる
  • 特に左サイドでヴィニシウスとの“共存問題”が常に顔を出す

という点でした。

この試合では、

  • 左の幅:ヴィニシウス
  • 中央のターゲット:ゴンサロ・ガルシア
  • 左インサイド〜ハーフスペース:カレーラス

という分担が非常にクリアで、それぞれが「自分の仕事」を理解したうえで動けていた。

ヴィニは幅を取りつつ、得意な形で1vs1を仕掛け続ける。
ゴンサロは、最終ラインと駆け引きしながらゴール前で待つCFとして振る舞う。
カレーラスは裏抜けとポストプレーを使い分けながら、その間をつなぐ。

結局のところ、

どこまで行っても、このチームの根底には「エンバペ&ヴィニの共存問題」がある

という事実を、この試合が逆説的に浮き彫りにしたとも言えます。
今日のような明瞭な役割分担を、エンバペがいる状態でもどこまで再現できるのか。
そこがレアル・マドリードにとっての最大のテーマの1つでしょう。

まとめ

  • 右サイドのトレントフェデの可変が機能し、左ではヴィニシウスカレーラスの役割分担によって今季でもかなりポジティブなダイナミズムが生まれた試合
  • ハイセンのPK献上に象徴されるように、守備判断にはまだ粗さが残る一方で、最低限の守備原則と被カウンター対応は大きく崩れずに保たれた
  • ゴンサロ・ガルシアの存在により、クルトワのロングボールが有効な攻撃手段となり、エンバペ不在の中で前線の役割分担が明確化
  • 攻撃面では「空回り」していた直近の試合から一歩前進し、組織としての狙いと個の地力がようやく噛み合い始めた90分だった

次戦は、CLプレーオフ第1戦ベンフィカ戦(日本時間2月18日)です。
決勝トーナメント進出のために絶対に負けられない一戦となります。

この試合で見えた右サイドの躍動と左サイドでの役割分担が、一過性のものなのか、それとも今季の“解”になっていくのか。
引き続き追いかけていきたいと思います。

ではまた次の記事でお会いしましょう! バイバイ!

-試合レビュー

© 2026 まいにちマドリディスタ Powered by AFFINGER5