試合レビュー

【ヴィニシウス超絶ゴラッソも後味悪い】10分間の試合中断とリベンジ達成 ベンフィカ vs レアル・マドリード 試合レビュー チャンピオンズリーグ・プレーオフ1stレグ

試合概要

この記事では、2026年2月18日(水)(日本時間)に行われた

チャンピオンズリーグ・プレーオフ1stレグ「ベンフィカ vs レアル・マドリード」の試合を振り返ります。

グループステージで苦杯を舐めさせられた相手への、いわば「リベンジ」の一戦。
直近のリーグ戦ソシエダ戦で手応えを得たシステムをほぼ踏襲しつつも、
前線はゴンサロ・ガルシアではなくエンバペを起用したことで、攻守のバランスは大きく変化しました。

結果は、後半立ち上がりのヴィニシウスのスーパーゴールを守り切って0-1の勝利。

スコアとしては「アウェイ勝利」と「グループステージのリベンジ成功」という結果ですが、
ゴール後の差別騒動による中断と物の投げ込みなど、ピッチ外の問題によって非常に後味の悪い90分にもなってしまいました。

まいマド的総括

チャンピオンズリーグ・プレーオフ1stレグ ベンフィカ vs レアル・マドリードのスタメンとハイライト

試合ハイライトはこちら

※ハイライト引用(Real Madrid

両チームのスタメンとフォーメーション

画像引用元(FOTMOB

試合の流れ

ソシエダ戦を踏襲しつつ、エンバペ起用でバランスがブレた前半

立ち上がり〜10分までの基本構造は、ソシエダ戦をほぼ踏襲していました。

  • 左:ヴィニシウス
  • 中央〜右:エンバペ
  • 中盤:カマヴィンガフェデ・バルベルデのボックスtoボックス

保持時のシステムとしては、かなり整理され始めています。
ただ、エンバペを使ったことで、ソシエダ戦のゴンサロ・ガルシア起用時と比べて決定的に変わったのが「非保持でのプレス強度」です。

  • ゴンサロ起用時:前線からのプレスがある程度“形”になっていた
  • エンバペ起用時:前からハメ切る形は期待しづらく、中盤の負担が増大

ベンフィカのブロック守備も堅く、
マドリーはボールは持ててもアタッキングサードでの崩しに窮する、やや停滞した序盤になりました。

20分に入ると、押し込んだ際の停滞感に耐えられなくなったのか、エンバペが左サイドや低い位置まで降りてボールを触りに行くシーンが増えていきます。

ここで問題なのは、「流動性が出ている」というより、

エンバペが“自分の心地いいプレーゾーン”に流れているだけになってしまっている

という点です。

  • 左に流れればヴィニシウスと被る
  • 中央に残っても落ちてボールに関わってきてしまう(ターゲット不在)

結果として、ヴィニエンバペのどちらかが消える時間帯が増え、
ソシエダ戦で見えたダイナミズムはかなり削がれていました。

右サイドから見えた“もうひとつの道筋”と、ハイセンのポジショニング

この試合で僕が重要だと感じたのは、30分前後から見え始めた右サイドの活用です。

20分台後半、ギュレルが右サイドのハーフスペースへランニングする動きが数回出てきます。
これは、

  • 左サイド:ヴィニシウスのドリブルで相手を引きつける
  • 右サイド:ハーフスペースからギュレルが侵入する

という「左で引きつけ、右で刺す」展開を作る上で、非常に効果的なパターンでした。

また、押し込んだ局面でのハイセンの立ち位置もかなり象徴的です。

  • ほぼボランチのような位置に立ち、セカンドボールを回収
  • そのまま前線のカレーラスカマヴィンガへ配給して、攻撃の波状攻撃を継続

単にCBが高い位置を取っているのではなく、「セカンドボール専任のレジスタ」のような振る舞いをしていたことで、
マドリーは押し込んだ状態を長く維持できていました。

38分には、トレントからエンバペへのクロスで決定機。
42〜43分には、

  • ヴィニシウスのおしゃれなポストプレーからエンバペのフィニッシュ(枠外)
  • カマヴィンガの運びから右サイドで受けたエンバペのカットインシュート
  • その直後、エリア内でのヴィニシウスのシュート

と、立て続けに決定機を迎えます。

前半総括としては、

  • ソシエダ戦の構造をベースにしながらも、エンバペ起用で前線のバランスはやや歪
  • ただし、右サイドとハイセンのポジショニングを軸に、終盤はマドリーが決定機を連発

という形で、後半に向けて手応えと課題の両方見える45分だったと言えます。

ヴィニシウスの超絶ゴラッソと約10分間の中断

後半立ち上がり、試合最大のハイライトが訪れます。

49分、エンバペから左サイドのヴィニシウスへシンプルに預ける形で攻撃がスタート。
一見「いつものヴィニの仕掛け」かと思いきや、
軽いカットインでシュートコースを開け、そのままゴールへ吸い込まれるような一撃。

これは文句なしで“超絶ゴラッソ”でした。

しかし、その後のゴールセレブレーションをきっかけに、
ベンフィカ側の選手との間で口論が発生し、試合は約10分間も中断。

詳細なやり取りは割愛しますが、
差別的な言動・挑発、さらには試合終盤にヴィニシウスや他のマドリー選手に対して
ペットボトルや電子タバコのような物が投げつけられるなど、
現代欧州フットボールとは思えないレベルの治安の悪さが露呈してしまいました。

プレスティアーニがヴィニシウスに差別的発言をしたとされるシーン

その後の試合展開は、正直言って前半終盤の熱量とは別物です。

  • ヴィニのゴールで0-1
  • 中断を挟んで試合のテンポは完全に冷却
  • ベンフィカもリスクをかけ切れず、マドリーも「このまま1点差で帰れればOK」というムード

60分以降、ギュレルカマヴィンガの運動量が落ち始め、
カウンターのキレも明らかに低下します。

ビハインドのベンフィカが少しずつ人数をかけて押し込んできますが、
マドリー側も「ここで2点目を狙って試合を殺しにいく」というよりは、

「このスコアなら双方納得でしょ?」

という雰囲気で試合をクローズに向かわせた印象です。

前半終了間際のような猛攻をもう一度再現できれば、スコア的にも内容的にも完勝と言えたと思いますが、
現実には“アウェイ1stレグとしては及第点と言える0-1”で終わった、というのが正直なところです。

管理人の感想

ヴィニ&バペ共存問題再発

まず内容面から言うと、この試合はソシエダ戦で見えたポジティブな要素を一定維持しつつも、

  • エンバペをどう組み込むか
  • ヴィニとの共存をどう設計するか

という、今季ずっと付きまとっているテーマが改めて浮かび上がった90分でした。

  • 可変の形:ソシエダ戦を踏襲し、右サイドの構造やハイセンの一列前進は機能
  • アタッキングサード:エンバペが「自分の心地いいゾーン」に流れがちで、左サイドの整理が再び崩れる
  • 非保持:ゴンサロ不在によって前線プレスの“最初のスイッチ”が弱まり、中盤の負担が増加

以前から指摘している通り、
エンバペ&ヴィニの共存問題は「どちらが悪い」という話ではなく、
「2人の特性を前提にした上で、チームとしてどこを捨て、どこを優先するのか」という設計の問題です。

今日の試合に限って言えば、

  • 結果:アウェイでの0-1勝利、GLのリベンジ達成
  • 内容:ソシエダ戦ほどの“解像度の高さ”はなく、特に前半中盤まではエンバペが全体のバランスを少し歪めていた

という意味で、「内容60点、結果70点」といった印象でした。

ヴィニシウスのゴラッソと“背負わされすぎているもの”

ヴィニシウスについては、僕は複雑な心境です。

  • プレーレベル:ゴラッソ含め、仕掛け・ポストプレー・シュートまで含めて明確に脅威
  • メンタル:ゴール後の振る舞いや騒動も含め、常に周囲のヘイトと注目を一身に集めてしまう構図

もちろん、彼自身の振る舞いに改善の余地がないとは言いません。
ただ、差別的な言動やスタジアム全体の空気を受け続けながら、
同時に「決定的な仕事も求められる」という状況は、彼が背負っているものが大きすぎると感じます。

今日は結果として試合を決めるゴールを決めましたが、
同時に、CLの大舞台でも差別問題がここまで露骨に表面化してしまった事実は、
フットボール全体として見ても非常に重たい現実だと思います。

ギュレル、ハイセン、そして“役割の明暗”

個別にもう少し触れると、

  • ギュレル
    右ハーフスペースへのランニングやボールの受け方は良かった一方で、
    決定的な違いを生み出す局面では「周りを囮にして自分で打ちたがる」ような選択が目立ち、
    そこに少し余裕のなさも感じました。
    このシステムは
    カマ&フェデの機動力」「チュアメニの対人&カバー」「その上に乗るゲームメイカーとしてのギュレル
    という構造なので、彼には数字やラストパスという形で一段階抜けたアウトプットが求められていると思います。
  • ハイセン
    守備ではクリアの判断や一抹の不安は残るものの、
    押し込んだ局面でボランチ的にセカンドボールを回収しながら配給する役割は、
    かなりハイレベルにこなしていた印象です。
    以前までであれば、あそこまで自信を持って一列前に出てこなかったかもしれません。
    守備判断とセットで、ここはキャリアの中で磨かれていく部分だと信じたいです。

まとめ

  • ソシエダ戦の構造をベースにしつつも、エンバペ起用によって前線のバランスが再び難しくなり、「エンバペ&ヴィニ共存問題」が改めて浮き彫りになった
  • 組織としては右サイドの構造やハイセンの一列前進が機能しつつも、前半中盤まではアタッキングサードの停滞感とプレス強度の低下が課題として残った
  • ヴィニシウスの超絶ゴラッソで試合を決めつつも、その後の差別騒動や物の投げ込みによって非常に後味の悪い一戦に
  • CLという文脈で見れば「アウェイでの0-1勝利+グループステージのリベンジ達成」という結果に

次戦は、2月22日アウェーオサスナ戦。
この0-1での勝利を「ただのスコア」ではなく、「内容面も上書きする完勝」へとつなげられるかどうかが、今季のマドリーを占う大きな試金石になるはずです。

ではまた次の記事でお会いしましょう! バイバイ!

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