試合レビュー

【無情の惜敗】周到な「バルサ対策」を上回られたサウジでの夜 個の意地と采配の明暗 レアル・マドリード vs バルセロナ スーペルコパ決勝

試合概要

この記事では、2026年1月12日(月)に行われた
スーペルコパ・デ・エスパーニャ決勝「バルセロナ vs レアル・マドリード」の一戦を振り返ります。

今季初のタイトルを懸けた伝統の一戦、サウジでのエル・クラシコ。
もはや毎年の恒例行事となりつつありますが、結果は 3-2での敗北。

宿敵相手にタイトルを明け渡すという、非常に悔しい結果となりました。
アロンソ監督が用意した「対バルサ仕様」の守備的アプローチは一定の成果を見せたものの、地力で上回るバルセロナの構造的な攻撃を最後まで止めきれず。

ヴィニシウスゴンサロの個の力で食らいつきましたが、最後は采配の是非も含めて「組織の完成度」の差を見せつけられた90分間でした。

まいマド的総括

スーペルコパ決勝 バルセロナ vs レアル・マドリードのスタメンとハイライト

試合ハイライトはこちら

※ハイライト引用(Real Madrid

両チームのスタメンとフォーメーション

画像引用元(FOTMOB

途中出場(マドリーのみ)

68分 バルベルデ OUT→ギュレル IN
76分 ゴンサロ OUT→エンバペ IN
76分 ハイセン OUT→アラバ IN
82分 カマヴィンガ OUT→セバージョス IN
82分 ヴィニシウス OUT→マスタントゥオーノ IN

試合の流れ

「バルサ仕様」の4-4-2とハイプレスの誤算

アロンソ監督はこの大一番に向け、保持・非保持ともに4-4-2(非保持時は5-4-1気味)という、徹底した守備重視の「バルサ仕様」で臨みました。

特にヴィニシウスを最前線に置くことで彼の守備強度不足を隠し、かつ彼がハイプレスの頂点として機能するようにデザインされていました。
開始10分まではこれが功を奏し、選手のモチベーションの高さも相まって、バルサの保持に対しても高い位置での制限と、剥がされた際の迅速なブロック形成ができていました。

しかし、以前から指摘している「自陣低い位置からの攻撃」という課題が再び顔を出します。
クルトワからの配球はほぼ「捨て玉」のロングボールに終始し、保持のマインドが欠如しているため、ボールを奪っても前進できない時間が続きます。

25分を過ぎる頃には、バルサがマドリーの構造的な弱点
5バック化によって空いた「右ボランチの脇」を攻略し始め、押し込まれる展開が増えていきました。

一気に試合が動いた前半終盤

36分、高い位置を取った両SBの裏を突かれ、ラフィーニャに先制を許します。
ハイセンチュアメニは構えた守備には強い反面、こうしたオープンな局面での対応には未だに脆さが見えます。

しかし、前半終了間際に試合は一気に動きます。
45+2分、中央で粘ったゴンサロのキープから、左に流れたヴィニシウスが独力で撃ち抜き同点。
これこそがヴィニシウスの真骨頂と言える一撃でした。

直後の45+4分、守備の穴を突かれてレヴァンドフスキに勝ち越しを許すも、45+6分にはベリンガムの粘りから得たCKをハイセンが合わせ、そのこぼれ球をゴンサロが押し込みます。

まさに「ボックスストライカー」としての嗅覚を見せたゴンサロの得点で、2-2の同点で前半を折り返しました。

アロンソの修正と悩みが垣間見えた交代

後半、アロンソ監督はカマヴィンガを1枚アンカーに置く修正を施し、カレーラスのプレス回避を軸に保持の立ち位置を改善しました。

しかし、73分に不運なディフレクトも重なり3失点目を喫すると、マドリーは再び「個」に頼った特攻戦術へ舵を切ります。

78分にゴンサロを下げてエンバペを投入したことで、チームは4-3-3へと移行。

しかし、これが守備のバランスをさらに崩し、ヴィニシウスが左ウイングに戻ったことで相手SBへの牽制が消滅。ボールを握られる展開が続きます。
それまでの勢いは失われ、結果としてエンバペを投入した意味も見えずらい展開となってしまいました。

その後82分にはこの試合、攻撃を牽引していたヴィニシウスも交代したことで怪我明けのエンバペに全てを託すことに。

ただその頼みの綱もボールがなければ違いを生み出せません。
ヤマルとの一対一でボールを奪うとその後フレンキー・デヨングのレッドカードを誘発し、最終盤には決定機を生み出すなどさすがはエンバペと言える場面はありましたが、やはり怪我明けの彼よりはヴィニシウスの方が可能性を感じたというのが本音ではあります。

そしてその最終盤の2度の決定機も決めきれず、試合終了。
今季初タイトルを目前でライバルクラブに敗北しました。

管理人の感想

「地力の差」を感じざるを得ない内容

アロンソ監督が守備を軸に据えたプランを完遂しようとした姿勢は評価できます。

アトレティコとの激戦から中2日で日程的なアドバンテージがバルセロナにある中、開始早々撃ち合いの展開となるとマドリーに分が悪すぎます。

なので、この試合の前半のように守備から試合に入って「点を取られない」というアプローチを取ったのは理解できます。
その上、現状のDFラインの怪我人の状況を考えると慎重にならざる負えません。

この守備的4-4-2(5-4-1)は一つの「妥協点」としての正解に近かったはずです。

しかし、結局のところボールを奪った後の展開や立ち位置が整備されておらず、ボールを奪ってもすぐに失う状態になってしまっていたのは勿体無いと思いました。

1点目の得点シーンのように、縦パスが一本綺麗に入れば、ヴィニシウスの突破力を十分活かせられることができたことを考えると、守備から攻撃までデザインしきれなかったのはアロンソ監督の居たらなかった点と言えるでしょう。

評価が分かれる「劇薬」ヴィニシウスという選手

この試合、攻撃面で最も強烈なインパクトを残したのは間違いなくヴィニシウスでしょう。
直近の絶不調が嘘のように、今日の彼はのびのびとプレーしているように見えました。

特に守備位置を中央最前線に据えたアロンソ監督の配置が的中しました。
これにより彼の守備負担とメンタル面での不要なストレスが軽減され、純粋にゴールへ向かうエネルギーとして還元されていた気がします。

45+2分の得点シーンについては、もはや言葉を失うほどのクオリティ。
あんな低い位置から独力で突破し、最終的にネットを揺らしてしまう芸当は、世界広しといえどヴィニシウスだけに許された特権的なプレーです。

しかし、その輝きと同じくらい、依然として「周りを使わない」独りよがりなプレーが散見されたのも事実。
僕が彼を手放しで評価しきれない理由は、まさにこの一点に尽きます。

繰り返される「不用意なロスト」の代償

特に象徴的だったのは81分のシーンです。

  • 押し込んだ局面でオーバーラップしたカレーラスを完全に無視。
  • 中央へ意図の見えないアウトサイドでのパス(ワンツー狙い?)を試み、あっさりとカット。
  • そのまま決定的なカウンターを食らう。

カレーラスが上がっている以上、守備陣形は崩れています。
あそこはシュートで終わるべき場面であり、あの不用意なロストはいただけません。また、

フェデ・バルベルデが交代を申し出る直前のシーンでも、絶好のスペースへ抜けた彼を使わずに中央へ突っ込んでボールロスト。

「使われる側」という本質とアロンソ体制のギャップ

僕は、彼の守備意識の低さについては、攻撃時の圧倒的な突破力で十分お釣りが来ると考えています。
ただ、せっかくの突破を自らの雑なパスで台無しにしたり、上がってきた味方を囮にすら使えずあっさりロストしてしまう「攻撃面での不用意さ」は看過できません。

しかも、奪われた後は審判にアピールするか、不貞腐れたようにトボトボと歩いて戻る。
この一連の流れが、見ている側に強いフラストレーションを溜めさせます。

結局のところ、ヴィニシウスは徹底して「使われる側」の選手であり、「周りを活かす」マインドも技術も備わっていないのが現実なのでしょう。

アロンソ政権になり、ポジションごとの役割がより明確にデザインされる中で、周囲と連動し「味方を活かす」プレーがより高い水準で求められています。

そのモダンな組織論に、マドリーのエースである彼が適応できていない(するつもりもなさそう)という事実は、今後のチーム作りにおいて極めて深刻な課題と言わざるを得ません。

まとめ

  • 激闘のクラシコ。ヴィニシウスとゴンサロの得点で食らいつくも3-2で惜敗
  • 対バルサ仕様の守備プランは一定の成果。しかし「奪った後」の無策が響く
  • DFラインの人不足が深刻。チュアメニはピボーテ起用したかった。
  • ヴィニシウスとアロンソの相性の悪さは致命的

タイトルを逃したショックは大きいですが、リーグ戦、CL、そして国王杯。シーズンはまだ続きます。この悔しさを糧に、まずは次戦に向けて切り替えるしかありません。

次戦はコパ・デル・レイ、ラウンド16のアルバセテ戦(日本時間1月15日)です。
ターンオーバーが予想される試合となりますが、再び強いマドリーを信じて。

ではまた次の記事でお会いしましょう! バイバイ!

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