
試合概要
この記事では、2026年3月7日(日本時間)に行われた、
ラ・リーガ第27節『セルタ vs レアル・マドリード』の試合を振り返ります。
前節の屈辱的な敗戦に加え、ロドリゴの大怪我等の怪我人続出の状態、今季最大のクライシスと言っても過言ではない状況で迎えた一戦。
結論から言えば、「内容はボロボロで組織の設計図は白紙に近いが、執念と怪物チュアメニの献身で無理やり勝ち切った試合」でした。
まいマド的総括
ラ・リーガ第27節 セルタ vs レアル・マドリードのスタメンとハイライト
試合ハイライトはこちら
※ハイライト引用(Real Madrid)
両チームのスタメンとフォーメーション


画像引用元(FOTMOB)
試合の流れ
セットプレーの輝きと、トレントの被カウンター対応
立ち上がり、マドリーは無理にハイプレスを掛けず、ブロックを構えてセルタの出方を伺う慎重な入りを見せました。
試合が動いたのは10分。コーナーキックからギュレルへのショートコーナー。
ペナルティエリアの境界線ギリギリにポジションを取ったチュアメニへグラウンダーのパスが渡ると、彼がインサイドキックで丁寧にコースを突き先制。
パワーシュートのイメージが強い彼ですが、ベンフィカ戦での丁寧なコントロールショットを彷彿とさせる一振りでした。
今季の彼は精密さも兼ね備えています。
しかし、この先制点で「余裕」は生まれませんでした。
24分、セルタが自陣深くからマドリーの右サイド裏へロングボールを供給。
ここでトレントが完全に入れ替わられる致命的な対応ミスを犯します。そのまま中央へ通されたグラウンダーのクロスを合わされ、あっけなく同点。
以前のマドリーは「流れに関係なく点を取る」チームでしたが、今は「流れに関係なく失点してしまう」脆さが際立っています。
ゲームメイカー不在の前線と、迷子のヴィニシウス
前半の終盤から後半にかけて、ヴィニシウスの存在が完全に消えてしまいました。
ピッチ中央に配置されていたものの、ラインとの駆け引きを嫌った彼は、徐々に「いつもの」左サイドへと流れ始めます。しかし、これがチームのバランスを歪にさせました。
左サイドにヴィニシウスが流れることで、中央はスッカスカの状態に。
ゴンサロ・ガルシアが不在のなか、誰が中央でポジションを取るのかという設計が全く成されておらず、押し込んだ局面ではチュアメニが気を利かせてCFの位置まで上がらざるを得ない異常事態となりました。
後半、フラストレーションを溜めたヴィニシウスは、さらに左サイドに固執。
これにより、ビルドアップのルートが限定され、チーム全体が大停滞に陥りました。
94分のカオスが生んだ、バルベルデの執念の決勝弾
65分に投入されたパラシオスらカンテラーノたちが、持ち前の運動量でオープンな展開を作り出しますが、組織的な崩しの形は見えません。
そのまま引き分けかと思われた94分。
押し込んだ攻撃のこぼれ球を、フェデ・バルベルデが波状攻撃のなかで強引にシュート。
これが相手DFに当たってディフレクション、ゴールへ吸い込まれました。
この得点は戦術的な回答ではなく、バルベルデの「執念」が呼び込んだ値千金の決勝点でした。
管理人の感想
組織としての攻守が依然迷子
毎度のことながら勝ったからといって、この内容を肯定することは全くできません。
ビルドアップの設計、アタッキングサードでの侵入パターン、そして被カウンター対応。
どれをとっても改善の兆しが見えず、むしろ悪化しているようにすら感じます。
特に、守備時にセルタの3バックに対して前線3枚を充てる工夫は見せたものの、シンプルな裏へのボール一本で崩壊する脆さは深刻です。
トレントの守備意識の低さは今に始まったことではありませんが、あの形であっさり点を取られてしまう現状は正直目を覆いたくなるレベルです。
攻守の怪物チュアメニと、宙ぶらりんなギュレルの評価
個別に目を向けると、今日のチュアメニの負担はあまりにデカすぎました。
先制点を決め、中盤でフィルターとなり、挙句の果てには不在の9番に代わって中央へ突撃する。
彼の献身性には頭が下がりますが、これでは彼の本来の重要任務である被カウンター時のフィルター役やブロックを敷いた守備でのバイタルでのプロテクトが疎かになるリスクがあります。
一方で、ギュレルの評価は非常に難しいと感じました。
ベリンガム不在のなかでタクトを振るうことを期待されましたが、自分がゲームメイカーなのかフィニッシャーなのか、その立ち位置が「宙ぶらりん」でした。
不用意なロストも目立ち、彼にどのような役割を期待するのかというベンチ側の意図も不明確。
アンチェロッティ政権やシャビ・アロンソ政権下の彼なら、もっと明確なタスクを与えられていて、シンプルにプレーできていた印象です。
結局アルベロア監督には「カンテラーノ(下部組織出身選手)」を使うという明確なコンセプトは感じるものの、戦術面や主力選手たちに対するクオリティのコントロールはほぼなく、フロント陣の傀儡政権に近いのかもしれません。
ヴィニシウスとメンディの奇妙な関係
また、この試合守備局面において好パフォーマンスを左サイドバックのメンディ。
デュエル:地上戦勝利3/3 (100%) パス成功:81/87 (93%)と上々の出来です。
プレスバックで決定機阻止もあり、試合勘が鈍ってしまっても仕方がないような起用のされ方の中でこれだけのプレーができるのは非常に好印象です。
ただ一点、左サイドのヴィニシウスとの関係性が気になります。
この試合、マドリーのボール保持の局面においてメンディは左サイドの高い位置にポジションを取ることが多かったです。
これはボール保持時に相手を押し込むという観点で言うとサイドバックが高い位置で幅を取るというのは理にかなっているように感じました。
ただ前述の通り、試合が進むにつれて、ヴィニシウスが中央からサイドに流れてくると、
メンディが先にポジションを取ってしまってヴィニシウスのスペースを消してしまう配置が目立ちました。
尚且つ、カレーラスと比較しても安易にヴィニシウスに対してパスを出さないシーンが散見されました。
まるで同じポジションのライバル選手のように互いの良さを打ち消し合っており、組織としてのポジショニングのガイドラインが機能していない証拠なのではないかと思います。
まとめ
- 94分の劇的弾で勝利。しかし内容はボロボロで、組織の再構築は急務。
- ビルドアップの大停滞と、中央不在の歪な攻撃陣。ゴンサロ不在の穴が露呈。
- チュアメニの孤軍奮闘。攻守にわたる彼の負担を軽減する策が待ったなし。
- 個の地力で拾った勝ち点3。だが今の組織力でシティに立ち向かうのは極めて困難。
次戦は3月12日(水)のマンチェスターシティ戦。
怪我人の状況も悲惨。試合内容もボロボロと絵に描いたような絶望的な状態で、CLでのライバルチームをどう迎え撃つのかに注目が集まります。
ではまた次の記事でお会いしましょう! バイバイ!