試合レビュー

【最適解発見?】可変システムと”爆速”切り替えで覚醒! アスレティック vs レアル・マドリード 試合レビュー ラ・リーガ第19節

試合概要

この記事では、2025年12月4日(日本時間)に行われたラ・リーガ第19節(前倒し分)「アスレティック・クラブ vs レアル・マドリード」の試合を振り返ります。

敵地サン・マメスでの一戦。 結果は0-3の完勝でしたが、この試合で最も語るべきはスコアではありません。
これまでチームを覆っていた「攻撃の停滞感」と「守備の脆さ」。
この課題に対し、アロンソ監督がついに明確な解決策を示した点にあります。
保持時3バックへの可変、そして劇的に向上した攻守の切り替え。

マドリーが本来の強さを取り戻した、ターニングポイントになり得る90分を振り返っていきましょう。

まいマド的総括

ラ・リーガ第19節アスレティック vs レアル・マドリードのスタメンとハイライト

試合ハイライトはこちら

※ハイライト引用(レアル・マドリード公式チャンネル

両チームのスタメンとフォーメーション

画像引用元(FOTMOB

途中出場(マドリーのみ)

55分 トレント OUT→ラウール・アセンシオ IN
69分 カマヴィンガ OUT→ギュレル IN
78分 ヴィニシウス OUT→ブライム IN
78分 ミリトン OUT→ロドリゴ IN
78分 エンバペ OUT→ゴンサロIN

試合の流れ

「即時奪回」が生んだ電光石火の先制点

開始5分で感じた変化、それは「ネガティブトランジション(攻撃から守備への切り替え)」の速さでした。

ボールを失っても即座に奪い返し、そのままショートカウンターへ繋げる。

これまで中途半端なプレスをかけて、相手にプレス回避されていた姿はそこにはありませんでした。

6分の先制点はその守り→攻めのいい流れから、低い位置で奪い切ると、トレント(アレクサンダー=アーノルド)が一気に左へフィード。開いたエンバペと、中央へ飛び込むヴィニシウス。
最後はエンバペが沈めましたが、この「奪ってから攻め切るまで」のスピード感と迷いのなさが直近の試合とは明らかに違っていました。

「可変3バック」と完璧な連携弾

この試合、ビルドアップの配置が明確に変更されていました。

守備時は4-4-2のブロックを敷きつつ、保持時はチュアメニがCB間に落ちて「3-4-1-2もしくは3-5-2」のような3バックを形成。
これにより、トレントカレーラスが幅をとりつつ、高い位置を取り、ロングボールでの大きな展開が可能になりました。

24分、29分とビルドアップのミスからクルトワのビッグセーブを強いる場面もありましたが、これらは「チャレンジした結果」のミス。
以前のような、パスの出し手が不在の状況からの自滅に近いミスとは質が異なります。

そして41分、この新システムの完成形とも言える追加点が生まれます。 右サイドのプレス回避からフェデが逆サイドへ展開。
エンバペ、ヴィニシウス、ベリンガム、カレーラスが絡んで相手ブロックを揺さぶり、 最後は右のトレントからのクロスを、中央のカマヴィンガがフィニッシュ。

「右から左、そして右から中央」 ピッチの幅を使い切り、相手を完全に崩し切ったこのゴールは、チームが戦術的に一つ上の段階へ進んだことを証明するものでした。

盤石のクロージングとトレントの負傷

後半に入っても機能性は落ちず、59分にはエンバペが理不尽なミドルシュートを突き刺し0-3。

しかしその直前、好調の要因となっていたトレントが負傷交代するアクシデントが発生します。
この試合のキーマンだっただけに痛手ですが、その後はカマヴィンガを下げてクロージングモードへ移行。

最後まで強度が落ちることなく、アウェーで貴重な勝ち点3を持ち帰りました

管理人の感想

これまでの単調なビルドアップを打破した可変システム

この試合の勝因は、間違いなく「保持時3バック・非保持4-4-2」の可変システムの採用です。

これまでの試合では、ビルドアップで詰まり、ただ外側を回すだけの「U字型」パス回しに終始していました。
しかし今回は、後ろを3枚にして安定させつつ、トレントや中盤の選手がワイドに展開することで、相手のハイプレスを無効化。

アスレティックが前から来てくれたこともありますが、相手のプレスを回避してからのサイドチェンジ一発で局面を変える攻撃は非常に効果的でした。

劇的に改善した「攻守の切り替え」

もう一つのポイントは、フェデを中心としたハイプレスのスイッチと、奪われた瞬間の即時奪回です。

これまではロストした瞬間に間延びし、カウンターを食らうのがお決まりのパターンでした。

しかし今日は、前線の選手も含めて守備への切り替えがとにかく速い。 ショートカウンターが機能したことで、エンバペやヴィニシウスが前向きで勝負できる回数が格段に増えました。

「良い守備から良い攻撃へ」という現代フットボールの基本が、高いレベルで遂行できていたのが印象的です。

まとめ

  • 保持時3バック×高速トランジションが機能し完勝!
  • 右のプレス回避から左で仕留める形が効果的
  • トレントの負傷が痛すぎる…

ようやく見えた「強いマドリー」の形。 この手応えを本物にするためにも、次戦以降の継続性が鍵になります。

次戦は12月8日(木)05:00~(日本時間)のラ・リーガ第15節のセルタ戦です。

ではまた次の記事でお会いしましょう!
バイバイ!

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